2016
バドミントンの女子シングルスで表彰台を期待されるのが奥原希望(20)だ。15年は両膝の故障から完全復活を果たし、年間上位8選手が出場する「スーパーシリーズ・ファイナル」(UAE・ドバイ)では、男子の桃田賢斗(21)とアベック優勝。日本勢初の快挙を成し遂げた。世界女王の称号を得て、16年はさらなる飛躍が期待される奥原を直撃した。
――15年の開幕前は頂点に立つことを想像できましたか?
「全くできませんでした。15年の出だしはトッププレーヤーとの差が分からなくて、対等な気持ちで試合に臨めずに怖さだけがありました。互角に戦っていても試合終盤で『ヤバイな』と思ってしまったり、リードしていても『追い上げてきそうだな』と勝手に相手を大きく見てしまっていたのです。今季の序盤は勝てなかったので自信はまるでありませんでした」
――海外勢と互角以上に戦えるようになったのは、何かきっかけがあったのですか?
「3月から4月にかけてのスーパーシリーズで3大会連続(インド、マレーシア、シンガポール)して8強入りしたんです。シードされていない私が8強入りするには必ずシード選手を倒さなければならない。3大会連続で自分よりも世界ランクが上の選手に勝ったので、自信がつきました」
――156センチと小柄ですが、長身選手への対抗策はありますか?
「まずは足で勝負するしかありません。相手より手足が短い分、動いてプレッシャーをかけるしかない。拾っているだけでは今のバドミントンは勝てません。身長が低いので角度のあるスマッシュを打つのは難しいですが、小さいなりに相手よりも下に潜って打ち合ったりできる。身長の低さを逆に武器にして勝負しています」
――スーパーシリーズを制し、リオ五輪のメダル候補と期待されていますが。
「これまでも目標として公言してきましたが、今では日本のエースとしての自覚もありますし『メダルを取りたい』と自信を持って言えます。リオでは一番いい色のメダルを狙います」
▽おくはら・のぞみ 95年3月13日生まれ、長野県大町市出身。156センチ。大宮東高(埼玉)から13年に日本ユニシスに入社。11年の全日本総合選手権で最年少優勝(16歳8カ月)を果たし、世界ジュニア選手権は11年ベスト4、12年大会優勝。