2016
【球界ここだけの話】
ロッテ・伊東勤監督(53)の表情が明るい。家族よりも日々接する担当記者としては、ホッとする限りだ。
「特に投手陣の仕上がりがいいんですよ。オフにどれだけのトレーニングを積んできたのか、聞かなくても分かるぐらい、みんなが取り組んでいると思います」
基本辛口の指揮官だが、今春は選手を褒めることが多い。それだけ充実した沖縄・石垣島キャンプを送っている“証し(あかし)”だ。
そんな伊東監督が今春、石垣島の“あかし食堂”にハマっている。正確には『明石(あかいし)食堂』。いま石垣島で、最も行列ができる店として注目されている。
5、10、15日とあったキャンプ休日。伊東監督は5、10日と連チャンで出かけた。人気の行列店。5日は30分待ち、10日は40分待ちだったという。それでも伊東監督は並んだ。
「2回ともカツ丼を食べましたね。全メニューが美味しいらしいけど、ボクはカツ丼にハマりました。東京との単純比較はできませんが、とにかく、昔ながらの味なんですよ」
ゲンかつぎの“勝丼”もあるが、伊東監督が絶賛するどんぶり。そこまで力説するので行ってみたが、食材切れで閉店していた。
それはともかく、かくいう伊東監督を、周辺サークル(取材陣)は自然に応援する。気配りの人なのだ。
今キャンプ中、指揮官主催の担当記者食事会が開催されたが、ロッテの取材にかかわっているのは記者だけではない。新聞社でいえばカメラマン、テレビ局ではクルーと多くの人が汗を流している。かなりの大人数となり、すべてをフォローすることは、物理的に難しい。
しかし、同食事会が行われた後日、伊東監督は「宴席に来られない方もいたので…」と相当数のランチ弁当を球場(石垣市中央運動公園)内で振る舞った。ふつうに頭が下がった。
「派手なことは苦手なんですよ。自分は庶民派でいきますから、特別なことでもありません」
こんな伊東監督のサポーターでありたい一方、「明石食堂」のカツ丼もぜひ、食べてみたい。実は、大好物なのだ。19日のキャンプ打ち上げまで、残されたチャンスは限りなく少ない!?
(ロッテ担当・西村浩一)