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2016

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 打球がグングンと伸びていく。

 石垣の空の下、肘井竜蔵外野手は気持ち良さそうにボールを弾き返した。石垣島キャンプで行われた全体練習での久々のフリー打撃。そのスイングには迷いが感じられなかった。見守る誰もが安堵の表情を浮かべた。

「絶好調です。本当にいいスイングができている。ただ正直、ちょっと、ビクッと思ってしまう時はあります。特に左投手の時。でもそれは慣れるしかない。乗り越えるしかない。この世界で生き残るためにはやるしかない。弱音は言いません」

 肘井は傷口を撫でながら、強い決意を口にした。
 昨年9月21日、ロッテ浦和球場でのイースタンリーグ・埼玉西武ライオンズ戦。肘井竜蔵捕手は顔面に死球を受けた。バントの構えから向かってくるボールを避けようとしたが逃げ切れず、地面に倒れ込んだ。救急車がグラウンド内まで入り、搬送された。病院に緊急搬送され、診断の結果は鼻骨と篩骨(しこつ)の骨折。絶対安静の大けがだった。

 味わったことがないような痛みと闘いながら1カ月近い、入院生活を余儀なくされ、その間、2度の修復手術を行った。もう野球ができないのではないか。そう思えるほどの闘病生活だった。

「あの瞬間、何とか起き上がって一塁に行こうと思った。けれど、髪の毛を後ろから引っ張られるような感覚で地面から起き上がれなかった。周りの人たちが大騒ぎをしているのがボンヤリと見えて、ああ、これはダメだなあと思いました」

一日でも早い復帰のために

 昨シーズン前のオープン戦期間に育成選手から支配下登録された。
 開幕は一軍に抜擢され、プロ初ヒットも記録した。二軍降格後もアピールを繰り返していた矢先に起こったアクシデントだった。肘井の順風満帆だった日々は一瞬にして暗転した。病院には実家のある兵庫県加東市から家族も駆けつけた。仕事を休み、父も付き添ってくれた。なかなか長期の休みを取ることができない仕事に従事している父が1週間以上、横で励まし続けた。その想いが肘井を前に向かせた。

「1カ月、バットに触れなかった。でも、『焦らない』と自分に言い聞かせました。もう、シーズン中の復帰はどっちにしろ、ダメ。こうなったら、ベットの上でじっくりといろいろな事を考えようと。自分の弱い部分を見つめ直すキッカケにしようと思いました」

 病室のベッドで、いろいろな映像を見た。自分の打撃映像。同じ左打者で今、プロ野球界を引っ張る西武・秋山翔吾、ソフトバンク・柳田悠岐の打撃映像集を入手して食い入るように見入った。時間を有効活用しようと必死だった。

 大きな決断も余儀なくされた。

 手術痕を顔に残さないためには、あえて患部から遠い頭部にメスを入れることで、顔に傷を作らない方法もあった。そして顔には6カ所に整形用のプレートが埋め込まれた。プレートを抜き取るためには手術を再度行う必要があった。しかし、肘井は家族と相談をして、その両方とも断った。一日でも早く復帰することを大前提の選択肢を選んで行った。父の言葉がそれを決めた。

「キズを見ると、苦しいことがあっても、頑張れるのではないかな。野球がやれている幸せを毎朝、鏡を見て、キズを見て感じることができる」

 プロとしての強い覚悟だった。支配下登録されて今年が2年目。少ないチャンスをモノにするためには、一日でも早くグラウンドに戻り、首脳陣にバットでアピールをしないといけない。だから、プレートを取るための手術を行う時間が惜しい。体が動くのであれば、顔に傷が残ってもいい。引退をするまではとにかく復帰を最優先にすることを決意した。

「別に私生活に影響があるわけではないとのこと。だったら、野球がやっている間はプレートを取るつもりはありません。傷も気になりません。父の言うとおり。このキズを毎日見て、頑張ろうと思う。カッコいいでしょ、このキズ!」

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