2016
【AFP=時事】女子テニス選手のマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)のドーピング検査で、検体から禁止薬物が検出されたと発表したことを受け、スポンサーを務める米スポーツ用品大手のナイキ(Nike)は、事実関係が明らかになるまで契約を一時中断すると発表した。
シャラポワが全豪OPでドーピング陽性、暫定的な処分へ
ナイキは声明を出し、「マリア・シャラポワのニュースを知り、悲しみと驚きが隠し切れません」と述べ、「調査が行われる間、マリアとの契約を中断することに決定しました」と説明している。【翻訳編集】 AFPBB News
2016
大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)に建設が予定される任天堂の人気キャラクターを使ったアトラクションは、400億円規模の大型投資になることが判明した。USJの運営会社は沖縄県での新テーマパーク構想も打ち出しているが、当面は限られた投資を好調なUSJに優先配分して手堅く収益を高める戦略をとる。(藤原直樹、阿部佐知子)
USJの運営会社ユー・エス・ジェイは、沖縄の人気観光スポット・海洋博公園(沖縄県本部町)周辺で約600億円をかけて新パークを建設する方針を打ち出し、東京五輪が開催される平成32年までのオープンを目指していた。
一方で、昨年11月にユー・エス・ジェイを買収した米メディア大手コムキャストは新パークの採算性に懸念を示した。ユー・エス・ジェイの最高経営責任者(CEO)に就任したコムキャスト出身のジャン・ルイ・ボニエ氏は今年2月の記者会見で、「USJではアトラクションなどに大型投資を続ける」とUSJに集中投資する意向を示し、新パーク計画は見直し作業に入っている。
任天堂との提携で進める新アトラクションは400億円規模の大型投資となり、東京五輪までのオープンを目指すことで、新パークよりもUSJへの投資を優先する姿勢が鮮明となった。ただ、沖縄の新パークも断念せずに開業時期を遅らせて計画を進める可能性が残っている。
USJは、訪日外国人の増加などで27年度の入場者が過去最高だった26年度の1270万人を上回ることが確実となっている。ボニエ氏は「入場者はあと300万~400万人は増やすことが可能」と明言。人気キャラクター「マリオ」を使うなど任天堂との提携事業を優先して進めることでさらなる集客を目指す。
2016
コンドームメーカーを揺るがす事態が中国で起きた。日本最大手オカモトが「世界で最も薄い」とした広告をめぐり、中国メーカーが当社品が最薄で広告は虚偽だと訴えた裁判で、オカモトが敗れた。さらに驚くのは賠償額で、何とたったの1元(17円)。実はオカモト、提訴時は最薄を外しており中国側の損害は軽微だったもよう。訴えは日本製人気に乗じた「売名行為」の可能性が濃厚だ。ただオカモトは控訴せず1元をお支払い。「草食男子」が増え日本市場が縮む中、需要が旺盛な中国は重要市場で、“いちゃもん”を払いのけて拡販に力を注ぐ。
■最薄めぐり、裁判はヒートアップ
オカモトは2003年11月に厚さ0.038ミリのコンドーム「003(ゼロゼロスリー)」を発売。この商品は約10年後の12年1月に、「最も薄いラテックス(ゴム)製コンドーム」として、ギネス世界記録を打ち立てた。
しかし13年12月、中国・広州の「広州大明聯合ゴム製品」(大明)が、0.036ミリのコンドームを商品化し、14年2月にギネス記録を更新。このため大明は同年9月、「最薄の宣伝は虚偽だ」などとして、オカモト製品の販売停止と損害賠償を求めて提訴した。
オカモトによると、製品に「最薄」と表記していたのは、自社の記録がギネス認定されてから半年から1年程度だという。また、ギネス認定と発売10周年を記念したキャンペーンを13年10月に始めたが、14年3月には終了した。
裁判でオカモトは猛反論を展開し「自分たちの記録が破られたとの情報を得ていながら、知らぬふりを続けていたという証拠はあるのか」などと大明側に迫った。また第三者によるテストで「大明のコンドームは0.036ミリより厚い」とする結果が出たことも提示する力の入れようだった。
両者とも一歩も譲らず、裁判はヒートアップする一方だった。
■賠償金1元、高まる「売名行為」批判
そして16年2月、注目の判決は下された。ふたを開けてみれば、中国の裁判所が軍配を上げたのは大明側。必死の主張もむなしく、オカモトの広告は「不正競争」に当たると認定された。
だが、それより驚かされるのは、大明が請求していた賠償金の安さだ。その額はたったの1元。大明は裁判を起こすことで何を狙ったのか。
オカモトは提訴時、すでに最薄の表示を外していた。しかし、ある業界関係者は、「中国で残っていた流通在庫を大明が発見したのだろう」とみる。
とはいえ当時、最薄の表示があった商品は市場にはほとんど流通していなかった可能性が高く、大明が受けたとする損害はきわめて軽微だったとみられる。「賠償金1元」は、その表れとみることもできる。
大明にとって、オカモト製品の最薄表示が不正競争にあたるかどうかは、さほど問題ではなかったようだ。「質が高いことから人気がある日本製を代表するオカモトの商品に勝った、とアピールする狙いがあった」(同関係者)と考えられる。
業界では大明が提訴に乗り出したことに対し、「話題作りではないか」「もはや売名行為だ」と批判する声も上がり始めている。
■「草食化」で縮む日本市場、活路は中国に
裁判で熱くなったオカモトも、今では落ち着きを取り戻しているようだ。「商品は中国国内で高い評価を受けており、売り上げも落ちていない。これ以上争う必要はない」として控訴はせず、大明に対して1元を支払った。
そもそも、オカモトや相模ゴム工業といった日本勢は技術力で大きく上を行く。すでに大明がギネス記録を持つ「ラテックス製」ではなく、「ポリウレタン製」で0.01ミリ台の商品を発売。訪日中国人の「爆買いリスト」では、常に上位にランクインしている。
一方で、中国製コンドームの質が高いとは言い難い。13年には、ガーナでエイズウイルス(HIV)感染対策の避妊具として市民に配布された中国製に破れやすいなどの欠陥が見つかり、計1億1000万個以上を回収する騒ぎもあった。
品質では問題のない日本勢だが、悩みの種は縮小する日本市場だ。少子高齢化が進んでいる上、女性に奥手な「草食男子」が増え、コンドームの需要は伸び悩んでいる。一方、日本製の質の高さに加え、あこがれもあって、中国では今後も需要拡大が見込まれる。
オカモトにとっても、裁判にかかずらっているより、ドル箱である中国市場への浸透を少しでも進める方が得策との判断が働いたようだ。(中村智●(=隆の生の上に一))
2016
【ワシントン=小雲規生】米大統領選に向けた民主、共和両党の候補指名争いは1日、予備選や党員集会が集中する「スーパーチューズデー」を迎えた。米メディアによると、共和党では不動産王のドナルド・トランプ氏が6州で勝利を確実にし、民主党ではヒラリー・クリントン前国務長官が7州で勝利を固めた。指名獲得に向け、両氏がリードを広げた。
両党はそれぞれ11州で候補者選びを実施した。共和党のトランプ氏がジョージア、アラバマ、テネシー、マサチューセッツの各州に加え、接戦となっていたバージニア州とアーカンソー州でも勝利した。トランプ氏は1日夜、フロリダ州での記者会見で「素晴らしい夜だ」と述べて、スーパーチューズデーでの勝利を宣言した。
一方、テッド・クルーズ上院議員は地元であり、全米で2番目に代議員数が多いテキサス州と、オクラホマ州を制した。マルコ・ルビオ上院議員はミネソタ州で勝利した。
一方、民主党ではクリントン氏がバージニア、ジョージア、アラバマ、テネシー、アーカンソー、テキサス、マサチューセッツの7州で勝利。バーニー・サンダース上院議員は地元のバーモント州で圧勝したほか、オクラホマ、コロラド、ミネソタの各州も制した。
クリントン氏は1日夜の演説で「民主党員は米国内のバリアー(障壁)を取り払うために投票した」と述べて、選挙結果に満足感を示した。サンダース氏はこれに先立つバーモント州内での演説で、「今日が終わってもあと35州残っている。われわれは戦いを続けていく」として、今後の選挙戦に意欲を示した。
2016
3月3日はひな祭り。各家庭でひな人形が飾られ、福岡県の筑後地域の各地ではさまざまなイベントが開かれている。福岡県八女市中心部で開催中の「雛の里・八女ぼんぼりまつり」で、民家や店舗など約100カ所に展示されたひな人形を見て回るうちに、いくつかの疑問が湧いてきた。江戸時代から現代までひな人形の生産地である八女で、ひな人形にまつわる不思議を専門家に尋ねた。
真っ先に疑問に思ったのは、最上段に飾る男びなと女びなの位置だ。おひな様が向かって右側の家と、左側の家がある。どちらが正しいのだろう。
【写真はこちら】「貴重な経験」お内裏様とおひな様が結婚パレード
「現在はひな壇に向かって左に男びな、右に女びなが標準的な飾り方です」。そう語るのは、日本人形協会の広報委員を務める福田喜作さん(59)だ。ただし左右が逆でも間違いではないという。日本では古来「左が尊い」とされ、かつては向かって右が男びなだった。伝統を重んじる京都のひな飾りは昔ながらの飾り方を残している。
いつから男びなと女びなの位置が逆転したのか。福田さんによると、きっかけの一つが昭和天皇の即位の礼だという。「世界各国の要人が参列する中、右を上位とする国際儀礼に従って天皇が向かって左、皇后が右に並んだことで、その後のひな飾りも倣ったといわれています」
次は「箱びな」。まつり会場では豪華なひな飾りよりも、男びな女びなが1体ずつ木箱に収められた箱びなが目につく。八女地方独特の郷土びなで、江戸時代から昭和30年代まで作られ、九州各地に広がった。誰が作り始めたのだろうか。
福田さんは「仏壇やちょうちんなどの伝統工芸品を育んできた八女の仏壇職人や大工が、副業として注文に応じて作っていた」と説明する。ひな祭りの文化は江戸時代に庶民に浸透するが、京や江戸のような豪華な段飾りには手が出せなかった。それでも子どものために手に入れたいという庶民の願いを、職人たちが受け止めて生み出したのが箱びなだった。
造形は衣装が鮮やかな「古今びな」や大型で優雅な「享保びな」といった江戸時代に作られた人形の影響を受けているという。ただ、衣装に仏具の布、冠などの金具にちょうちんの部品を使うなど、職人が周りにある材料を利用して値段を抑えた。「他の郷土びなが土や紙製だった中、箱びなは今も産業として生き続ける八女の伝統工芸が集結したひな人形と言えます」