2016
厚生労働省が18日発表した2015年の賃金構造基本統計調査によると、フルタイムで働く労働者の月額賃金(賞与や残業代を除く)は前年比1.5%増の30万4000円と、01年に次ぐ過去2番目の高水準となった。企業業績の回復や人手不足を背景に、春闘で前年を上回るベースアップ(ベア)が実施されたことなどから、月額賃金は2年連続で増加した。
賃金は男性が1.7%増の33万5100円、女性が1.7%増の24万2000円だった。女性は2年連続で過去最高を更新。女性の賃金は男性の72.2%で、男女の格差は過去最小となった前年と同水準だった。
2016
菅義偉官房長官は18日の記者会見で、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)の運営会社が沖縄県進出計画の撤回を検討していることについて「計画を政府として全面的に支援する方針に変更はない」と述べ、正式決定ではないとの見解を示した。しかし、政府は計画を沖縄振興策の要として期待するだけに、戸惑いも広がっている。
菅氏は「USJと県の間で進出の検討が進められていると認識している」と指摘。政府高官によると、運営会社から18日、政府側に「まだ何も決まっていない」と説明があったという。
政府には、沖縄振興を進めることで、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に県側の理解を得る思惑がある。新たなテーマパーク計画には、移設問題で対立する県の協力が見込めるため、菅氏は仲井真弘多前知事時代から誘致を積極的に後押ししてきた経緯がある。政府は2016年度予算案に、USJの進出を念頭に調査費1.2億円を計上した。
それだけに、計画が白紙になれば影響は小さくない。政府関係者は「全体で見れば痛手になる」と懸念する。
一方で、空港のある本島南部から沖縄本島北部に建設予定の新パークまでの交通網整備など、条件次第ではUSJが計画を続行するのではないかという見方も政府内にはある。政府は引き続き誘致の実現を探る方針だ。【高本耕太】
2016
「無印良品」を展開する良品計画が好調だ。2015年度第3四半期(3~11月期)連結決算は、売上高が前年同期比19%増の2267億円、営業利益が同45%増の258億円と、いずれも2ケタの伸びを見せ、過去最高を記録した。
特に中国での成長が牽引している。良品計画の松崎暁社長は、東洋経済の取材に対し、今年以降、出店スピードを一段と加速する方針を示した。中国ビジネスの成功の秘訣は何か。海外で「MUJI」が成功している理由について、日本を代表する小売りトップが大いに語った。
■ 中国では日常品に目が向いてきた
【写真】MUJIの世界旗艦店である中国・上海店
――足元で中国が好調な理由は何でしょうか。
消費が実需になっていることが大きい。今まではハイエンド、ブランド物を買うことに購買が向かっていたが、今は完全に日常生活で自分たちが使う実需の消費に変わってきている。背景には中国政府が出した倹約令もある。賄賂や不正が禁止され、百貨店の商品券や高級時計などの売り上げは、かなり落ちている。逆に、日常的に使うものに対して、目が向いてきている。それが非常に我々にとって追い風だ。
「あれだけ赤とか黄色だとか派手な国で、シンプルなものを買うんですか」って、よく言われるが、とんでもない。「MUJI」の好きな人は中国にたくさんいる。いろいろな物を持って、その中で物を見る目が養われ、シンプルなものにたどり着く。そこでMUJIの価値が分かり、MUJIでもいいんだ、というような形になったと思う。我々は日常的に使うものを販売している。それが本来必要な機能を満たして、デザインが優れて、品質がよくて、価格合理性があれば、購入される。
――中国での出店計画はどう考えていますか。
北京や上海など、1級や2級都市には、まだまだ出すつもりだ。上海にはすでに20店舗以上あるが、50店舗ぐらいは可能だと思っている。一方で、新しい都市、3級以下の都市にも、店を出していく。3級都市でも、MUJIの知名度は高く、消費者の購買意欲もある。この両面でやっていきたい。中国では2016年に40店舗出店し、いよいよ200店舗に達する予定だ。2015年は純増数が32店だったが、2016年は40店舗、2017年以降は50店舗へ出店スピードを上げていく。
2015年2月期末では海外301、国内401だったので、国内と海外でちょうど100店舗の開きがあった。中国の出店拡大もあり、この差はだんだん縮まっていき、2018年か2019年には海外の店舗数が国内を上回るだろう。
2016
千葉県の成田市と香取市が、再生可能エネルギーによる電力の地産地消に向け、新電力の民間企業と共同出資し、新たに地域電力会社を設立する方向で検討していることが17日、両市などへの取材で分かった。二つ以上の自治体が共同で出資し、電力会社を設立するのは全国で初めてだという。両市は4月から始まる家庭の電力小売り自由化に向け、6月に会社を設立し、10月からの業務開始を目指す。
香取市によると、北総地域の自治体を中心に2013年度から新たなエネルギーシステムの事業化などを模索しており、両市は昨年11月、共同で新会社を設立する方針で協議がまとまったという。これにより、成田富里いずみ清掃工場(成田市小泉)と、香取市の太陽光発電所で発電した電力が両市の公共施設に安価で提供できるという。
運営資金に1千万円ほどを見込んでおり、両市は400万円ずつを出資金として新年度予算案に盛り込む。試算では年間800万円ほどの純利益を見込んでいるという。
4月にもプロポーザル方式で民間企業の公募を行う予定で、両市は「地域で発電した電気が、地域で還元できる」としている。
2016
東京商工リサーチによると、「スーパーロボット大戦」シリーズの初期作を開発したことで知られるゲームメーカーのウィンキーソフトが2月5日、大阪地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は約2億5000万円。
「スーパーロボット大戦」「第2次スーパーロボット大戦」「第3次スーパーロボット大戦」など初期のスパロボシリーズや、PCゲーム「天地を喰らう -魔界三国志-」、PlayStationゲーム「聖霊機ライブレード」などを開発したゲームメーカー。
開発費が先行する業態で、銀行借入を運転資金にあてていたが、近年はヒット作に恵まれず資金繰りが逼迫していたという。スマートフォン向けゲームアプリの開発も軌道に乗らず、昨年11月に事業を停止していた。