2016
巨人は8日夜、東京都内の読売新聞本社で会見を開き、高木京介投手(26)が野球賭博に関与していたことを明らかにした。昨年10月に発覚した一連の賭博問題の責任を取って元オーナーの渡辺恒雄最高顧問(89)、白石興二郎オーナー、桃井恒和球団会長が辞任することも発表。会見で森田清司執行役員総務本部長コンプライアンス担当は「球団の責任者として、3人とも去年で膿を出し切れなかったという責任を強く感じているということ」と説明した。
【写真】不祥事との関わりについて語った巨人OB
球団は8日付けで高木京を謹慎処分とした。また騒動を受け、14日に予定されていた財界人による巨人の激励会「燦燦会」と、16日の球団激励会は中止となった。
発表によると、高木京は2014年シーズン、昨年賭博行為で無期失格処分となった笠原将生元投手(25)から誘われて8、9試合賭けて50~60万円負けた。どの試合に賭けたかは覚えていないという。
2月29日に週刊文春の記者から連絡があり、疑惑を認識。高木京がこの日、球団に連絡し、賭博行為に関与していたことを認めた。「ファンや関係者に、誠に申し訳ない。本当に軽い気持ちでやってしまった」と話しているという。
昨年、巨人の笠原投手、福田聡志投手(32)、松本竜也投手(22)が野球賭博に関与していたとして無期失格となった。野球賭博で選手が処分されたのは、1969年の「黒い霧事件」以来で、球界に衝撃が走った。巨人は3選手の契約を解除し、原沢敦球団代表が辞任した。
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巨人は8日、都内で記者会見を開き、高木京介投手(26)が野球賭博に関与したと発表した。八百長行為は確認されていない。
【写真】貴重な中継ぎ左腕だった高木京
昨年10月に福田聡志投手(32)、笠原将生投手(25)、松本竜也投手(22)の3投手が野球賭博に関与していたことが発覚、翌月、プロ野球の熊崎勝彦コミッショナーが無期失格処分の裁定を下し、球団は契約の解除を発表していた。
2月のキャンプでは宮崎市内の巨人宿舎で、球団内に新設された「紀律委員会」による再発防止に向けた研修会を実施。高橋監督ら首脳陣と全選手、球団スタッフら約200人が参加。各球団も研修を行っていた。
3選手以外の巨人の選手や、コミッショナーを通じて他の11球団にも調査、野球協約に違反している具体的な情報はなかったとされていたが、開幕を17日後に控えて新たな賭博関与の発覚となった。
◆高木 京介(たかぎ・きょうすけ)1989年(平元)9月5日、石川県生まれの26歳。星稜から国学院大を経て2011年のドラフト4位で巨人に入団。左の中継ぎとして昨年は33試合に登板、これまで139試合に登板し6勝0敗1セーブを記録、史上最長の初登板から連続黒星なしを継続中。1メートル83、86キロ。左投げ左打ち。
2016
◇なでしこジャパン五輪消滅
【なでしこ落日(1)】11年W杯ドイツ大会を制するなど、圧倒的な強さを誇ったチームが余儀なくされた再建。「なでしこ落日」と題した全5回の緊急連載で、チーム内外にあった問題点を検証する。
【写真】なでしこ後任監督は高倉麻子氏最有力
転落の始まりは、4年前にさかのぼる。12年ロンドン五輪。選手も指揮官も、そのメンバーで戦う最後の大会と信じ、死力を尽くして戦った。初の銀メダル獲得に沸いたが、その直後に状況は暗転。同五輪で勇退するはずの佐々木監督が一転、残留となった。そこから不協和音が流れ始めた。
選手と監督の微妙な距離感は、大きな溝に変わった。互いに歩み寄ることができず、指揮官は選手と一線を引く。「冷たい」「もっと見てほしいのに」と選手が訴えても、指揮官は「おまえらは俺から何を言われても聞かないだろ」と吐き捨てたこともあった。11年W杯ドイツ大会では東日本大震災などの映像を見せるなど、女心の分かるモチベーターだった指揮官の求心力は急降下。かつて「ノリさん」と慕われた指揮官は「選手が“ノリオ”と呼ぶ。リスペクトがない」「俺をバカにしている」などと話し、冷戦状態に陥っていた。
意思疎通も欠如していた。ある主力は「外される理由を言ってくれるだけで違う」と言う。多くの若手を試すため、指揮官がメンバーを入れ替えることは仕方ない。だが、最大の功労者である澤さんにも、選考漏れの続いた1年間、その説明は一切なかった。今予選も「ベストコンディションではなかった」と説明されて選考外となった安藤の状態も問題なかったという声もある。
「選考が謎すぎる。本当に戦えるの?」と主力がつぶやく中での直前合宿。25人から20人へメンバーを絞り込んだ際は宿舎でのメンバー発表は行われず、落選者にだけ通知された。その5人を知らない20人がいきなり見送りをさせられるなど一体感を欠いた。
9年続いた佐々木体制。4―4―2に固執した戦術は、アジア諸国にまで研究し尽くされていた。メンバーも戦術も変わらない“マンネリ化”が招いた悲劇。その根底には選手と指揮官との溝があった。(特別取材班)
2016
◆リオデジャネイロ五輪女子サッカーアジア最終予選第4節 日本6-1ベトナム(7日・キンチョウスタジアム)
【写真】試合を観戦した澤穂希さん
なでしこジャパンが、4大会連続の五輪出場を逃した。リオ五輪アジア最終予選で7日、ベトナムを6―1で下し初勝利を挙げたが、中国が韓国に勝ち、本大会出場権を獲得できる2位以内に入る可能性が消えた。2011年ドイツW杯初優勝から3大会連続で世界大会決勝を経験したが、悲願の金メダルの道は閉ざされ、主将のMF宮間あや(31)=岡山湯郷=ら黄金時代を築いたメンバーの多くが、今大会限りで代表を引退する意向であることが分かった。
これまで何度も起こしてきた奇跡へ、挑戦する機会すら与えられなかった。ベトナム戦のキックオフ前に中国が勝ち、予選突破の可能性が消滅。試合は6得点で圧勝も、初勝利を告げる笛はむなしく響いた。後半41分から出場した宮間は「ここで五輪をつかめなかったのは、キャプテンである自分の責任」とうなだれた。五輪連続出場が3大会で途絶え、なでしこには一気に世代交代の波が押し寄せる。
その筆頭が宮間だ。昨年も女子の世界年間最優秀選手(バロンドール)の最終候補3人に残る活躍を見せたが、なでしこリーグ関係者によると、オフに選手生活の継続も含め進退を熟考。澤穂希さんの引退で、主将としての責任から現役を続行したが、以前から親しい関係者にはリオ五輪を最後に代表を離れ、少年少女への指導などを通じてサッカーの普及活動に取り組みたいという夢を明かしていた。
この日の試合後には去就について、「まだ1試合残っている。この大会を代表選手として、主将として責任を果たしたい。後のことは今、言うべきではないと思っています。今は何も考えていない」と話すにとどめたが、本大会出場がなくなったことで、今予選を区切りとする可能性は高い。
同様にボランチで澤さんとコンビを組んできたMF阪口夢穂(28)も気持ちが揺れ動き、昨オフに一度は代表引退を視野に入れていた。また、最年長のGK福元美穂(32)、日本の右サイドバックの第一人者だったDF近賀ゆかり(31)、代表通算139試合目で節目の40ゴールに乗せたFW大野忍(32)の、30歳を過ぎた3選手も次回の19年フランスW杯については消極的な考えを持っているという。
一方で20年東京五輪へ、黄金期の魂を受け継ぐ選手もいる。MF川澄奈穂美(30)は五輪招致が決まった際、「日本にオリンピックが来るなら絶対に出たい」と周囲に熱意を漏らし、この日も「自分のサッカー人生はまだまだ続く。これを糧にしたい」と前向きだった。FW大儀見優季(28)も背番号10を引き継ぐ際、東京を見据える覚悟を告げている。
佐々木則夫監督(57)が今大会で退任し、後任はU―20日本代表の高倉麻子監督(47)の就任が最有力。25歳のDF熊谷、22歳のFW岩渕らは引き続き中心選手として期待されるものの、初の女性監督の下、3年後のW杯、4年後の東京五輪を目指す新生なでしこの顔ぶれは、大きく様変わりする。
2016
名曲が2年連続トリプルスリーをアシスト!! 昨年のセ・リーグMVP、ヤクルト・山田哲人内野手(23)の登場曲を、男性4人組の人気グループ「GReeeeN(グリーン)」が手掛けることが7日、分かった。中学時代からファンという山田に合わせて、GReeeeNが新曲(タイトル未定)を制作。山田は同曲が完成しだい本拠地・神宮で打席に立つ際の登場曲にし、ニューアルバムのプロモーションビデオに出演することも決まった。
♪ふたり寄り添って歩いて 永久(とわ)の愛を形にして いつまでも君の横で 笑っていたくて-
ヒット曲「キセキ」で知られる「GReeeeN」が、史上初の2年連続トリプルスリー(同一シーズン打率3割、30本塁打、30盗塁)に挑む「山田の歌」を作る。
「山田選手のために曲を作っていただけるということで、神宮の登場曲で使う予定です。この曲が収められた新しいアルバムのプロモーションビデオに出演することも決まりました」
球団関係者が明かした。GReeeeNはメンバー4人全員が歯科医で、業務に支障をきたさないように、容姿非公開で音楽活動を続けている人気グループだ。
代表曲の「キセキ」は野球を描いたドラマ「ROOKIES」の主題歌としてヒット。プロ野球でも巨人・坂本や西武時代の中島(現オリックス)らが本拠地で打席に立つ際の登場曲に使い、応援席のファンが曲に合わせて大合唱することで知られている。
山田もファンを公言。ニッポン放送で昨年10月9日に放送された「山下健二郎のオールナイトニッポン」で、山田はGReeeeNの「子犬」をリクエスト。兵庫・宝塚市の御殿山中時代から聴き始めたと、エピソードを明かした。今回は先方から制作の申し入れがあり、大喜びで快諾。曲が完成しだい、神宮での登場曲に使うことを決めた。
昨季の山田は打率・329、38本塁打、34盗塁でトリプルスリーを達成し、史上初めて本塁打と盗塁王を同時に獲得して、MVPに輝いた。「この成績を続けることが大事。2年連続のトリプルスリーを目指したい」。さらなる進化へ、23歳は新たに多くを変えようとしている。
背番号は「1」になり、「ミスタースワローズ」の期待を背負う。またゴールデングラブ賞を目指し、社員1人のメーカー「Donaiya(ドナイヤ)」の契約第1号選手としてグラブを一新。そこに新たな登場曲が加わる。
トップアーティストによる登場曲の提供は、トップ選手の証明でもある。昨年、音楽ユニット「B’z」は広島・黒田に「RED」を書き下ろした。また米大リーグ、ヤンキース・田中は、ヤンキースタジアムで人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」が田中をテーマに歌うオリジナル曲を使用している。
「GReeeeN」の由来は英語で「新人」「未熟者」を指す「green boy」をヒントにした造語だという。まだ23歳の山田は、新たに生まれる名曲に背中を押されて打席に向かう。その一歩一歩が、やがて大打者への軌跡になる。