約１カ月間にわたり行方不明になっていた三重県御浜町の中学２年の女子生徒が保護されたのは、海を挟んで西に約２４０キロ離れた高知市内の一軒家だった。未成年者誘拐容疑で逮捕された波川智央容疑者の自宅周辺では動揺が広がった。

　波川容疑者の自宅は、ＪＲ高知駅から東へ約１キロの住宅街にある３階建ての一軒家。関係者によると、約１０年前に転居してきたといい、妻と離婚し次男と２人暮らしだった。

　近所の男性は「息子を大切に育てていて、きさくな人柄だったのに信じられない」と話した。一方、「窓のカーテンがいつも閉まっていて、家の中の様子は分からなかった」と語る男性もいる。

　インターネットのサイトを通じて知り合ったという２人。波川容疑者の自宅に踏み込んだ捜査員が女子生徒を発見した際は、拘束などはされておらず、食事も取れていた様子だった。名前を尋ねると落ち着いた様子で受け答えし、安心したような表情を浮かべたという。

　一緒にいた波川容疑者も抵抗することなく捜査に応じ、逮捕後約９時間かけて三重県警紀宝署に車で移送された。県警によると自宅に連れ去ったことは認めているが、「同意の上だった」という趣旨の供述をしているという。

　一方、女子生徒が通っている中学校の校長は、「生徒たちには『いつか必ず帰ってくる』と言っていたが、本当に心配だったので良かった」と胸をなで下ろし、同級生の男子生徒も「学校に戻ってきたら、いつも通りに接してあげたい」と笑顔をみせた。

　捜査員から娘の無事を伝えられた女子生徒の母親は「良かったです。本当にありがとうございました」と涙声で話したという。

　東京地検は２２日、証人威迫罪で、住所不定、無職、山本倫大（みちひろ）被告＝売春防止法違反罪で公判中＝（３８）を追起訴し、山本被告の弁護人を務めた埼玉県朝霞市の湯沢昌己（しょうじ）弁護士（５０）を在宅起訴した。

　起訴状によると、２人は共謀し、１１月３日ごろ、山本被告の公判で出廷予定だった証人に「あなたの虚偽の供述で逮捕などの損害を受けた」として２００万円の損害賠償を求める訴えを起こすとともに、「警察官から脅迫などを受けて虚偽の供述をしたのなら訴えを取り下げる」とする書面を送りつけたとされる。

　湯沢被告は平成７年に検事任官し２２年から弁護士。１１月には別の被告＝詐欺罪などで東京地裁で有罪判決＝の控訴審で、警察官と被告の会話を録音したデータを示し、「警察官が利益誘導で虚偽の自白を引き出した。違法な取り調べだった疑いがある」と主張。東京高裁はこの主張を認め、審理を地裁に差し戻した。

　島尻安伊子沖縄北方担当相は２２日午前の記者会見で、沖縄県の翁長雄志知事と２４日に会談する方向で調整していることを明らかにした。「翁長氏からのアポイント調整の要請だ」と述べた。

　前年度比１０億円増となった沖縄振興予算３３５０億円を含む平成２８年度予算案は同日、閣議決定される予定で、翁長氏は予算確保に謝意を示すとみられる。

　２２日午前１１時ごろ、関西国際空港で、関空発デンパサール行きのガルーダ・インドネシア航空ＧＡ８８３便（乗客乗員約２００人）が離陸する直前、「客が爆弾を持っている」と同航空のスタッフから１１０番があった。

　大阪府警関西空港署などによると、同便に搭乗していた６０代ぐらいの日本人男性客の手荷物を客室乗務員が機内の棚に乗せようとした際、男性が「爆弾が…」などと話したため通報したという。実際には爆発物は見つからず、同機は約１時間遅れて出発。機内で目立った混乱はなかったが、男性は同便から降ろされた。

　同署によると、男性は「『爆弾なんて入っているわけでもないのに』と言っただけだ」などと話しているという。同署は男性から詳しく事情を聴くなどして経緯を調べている。

　菅義偉（すがよしひで）官房長官は２２日午前の記者会見で、平成２８年度から政府の１２省庁に、サイバー対策を担う審議官級のポストを新設することを明らかにした。

　菅氏は、官庁や民間企業へのサイバー攻撃の増加を踏まえ、「政府の情報システム管理やサイバーセキュリティー対策は極めて重要で喫緊の課題だ」と強調。ポスト新設の狙いについて「最高情報セキュリティー責任者と情報化統括責任者を補佐し、各省庁内を指揮監督できる強力な態勢を構築する」と説明した。