2015
衆院で統一会派を結成した民主党と維新の党は28日、国会内で選挙関係調整会議の初会合を開き、来年夏の参院選や次期衆院選での候補者一本化に向けた作業を始めることを確認した。来年4月の衆院北海道5区補欠選挙へ協力態勢を整えることでも一致した。
会合には、民主の枝野幸男幹事長と玄葉光一郎選対委員長、維新の今井雅人幹事長と松木謙公選対委員長が出席した。
玄葉氏は会合後、記者団に「まずは民主と維新で一本化した上で、他の野党とも幅広い結集を図る必要がある」と強調した。
2015
国政政党「おおさか維新の会」の松井一郎代表(大阪府知事)は28日、来年の参院選などの候補者発掘を目的に開く「維新政治塾」の応募者が200人弱だったと明らかにした。府庁で記者団の質問に答えた。
平成24年に維新政治塾が発足した際の約3300人から激減。当時と比べ第三極への期待がしぼんでいることや橋下徹前代表の政界引退が影響しているとみられる。松井氏は「書類選考などでさらに絞り込む」としている。政治塾は来年1月からスタートし、橋下氏にも講師を依頼している。
2015
政府は28日午前、来年5月に三重県で開催する主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で使用するロゴマークに、桜や海をモチーフとした大分県立鶴崎工業高校(大分市)3年の宇津宮志歩さん(18)のデザインを採用すると発表した。首脳会議と、全国10カ所で開催される関係閣僚会合で使用する。
安倍晋三首相は同日の表彰式に出席し、「世界のリーダーたちに、ロゴマークに表現されている志摩の豊かな海を見てもらいながら、日本と世界の平和と繁栄のために大いに語り合いたい」と抱負を語った。
採用作品は、中央の赤い丸が日の丸で、背景は伊勢志摩の海を表現し、桜の花びらをちりばめ、サミットに参加する7カ国を表した。宇津宮さんは「海は世界につながっている。世界が平和であるよう祈っている」というメッセージを込めたという。
ロゴマークは全国の小、中、高校生らから7084点の応募があり、クリエーティブディレクターの佐藤可士和氏を座長とする有識者選考会が6点に絞った。首相が宇津宮さんの作品を最優秀賞に選び、残る5作品には優秀賞を贈った。
2015
お笑いコンビ「キングオブコメディ」の高橋健一容疑者(44)が東京都内の高校に侵入して女子高校生の制服を盗んだとして、窃盗と建造物侵入の疑いで2015年12月26日、警視庁に逮捕された。
2010年にはコント日本一を競う「キングオブコント」で優勝している人気コンビとあり、ネット上では驚きが広がっている。先輩芸人や芸人仲間からは怒りの声も相次いでいる。
■ツイッターアカウントには批判コメント殺到
NHKなどによると、高橋容疑者は4月、東京都世田谷区内の都立高校に忍び込み、女子高生のブレザーやスカートなど20点以上を盗んだ疑いが持たれている。調べに対し、容疑を認め、「性的欲求を満たすためだった。20年くらい前からやっていた」と供述しているという。自宅からは制服など約600点が押収されたとも報じられている。
報道を受けたタイミングで、芸人たちは高橋容疑者の名前こそ出さないものの、続々と憤りのコメントをツイートした。
キングオブコメディと同じ「プロダクション人力舎」に所属するお笑いトリオ「東京03」の飯塚悟志さんは26日夕、「何やってんだよーバカかよー」とツイート。有吉弘行さんも「こらタコこのタコだな。もう…」と呆れ気味に投稿した。
インターネット上では、相方の今野浩喜さん(37)を心配する声も目立つ。今野さんはドラマや舞台でも活躍しており、20日に最終回を迎えたドラマ「下町ロケット」(TBS系)では好演が話題を呼んでいた。それだけに、コンビ愛の深さで知られる「さまぁ~ず」の三村マサカズさんも「マジか!駄目だよ。常に相方のことも考えないと、君一人の人生じゃない」と怒りのツイートを投稿している。
高橋容疑者のツイッターアカウントには批判的なコメントが殺到している。
逮捕を受け、プロダクション人力舎はファクスで「関係者の皆さまには多大なるご迷惑をお掛けいたしまして誠に申し訳ございません。現在、弊社としましても事実確認を行っている最中のため、これ以上のコメントはできる状況にございません。誠に申し訳ございません」とマスコミにコメントした。
高橋容疑者は26日19時放送の「エンタの神様」(日本テレビ系)に出演予定だったが、出演シーンがカットされることとなった。
高橋容疑者は2007年7月には、痴漢えん罪で芸能活動を休止していた。
2015
フランス・パリで11月13日夜(現地時間)に発生した同時多発テロ。金曜の夜を楽しんでいた市民ら130人が犠牲となる卑劣な犯行の傷跡が生々しく残る同月末、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に出席するため、訪仏した安倍晋三首相に同行する形で、事件現場を訪れた。そこで見たのは「自由・平等・博愛」の下で力強く結びついたパリ市民の姿と、いまだにしこりが残る日韓の微妙な距離感だった。
羽田空港を政府専用機で発ち、パリ・オルリ空港に到着したのは同月29日午後9時すぎ。安倍首相は空港を出ると、犠牲者への献花のため、約90人が命を奪われた現場であるマレ地区のバタクラン劇場に直行した。
「日本として強い連帯の意を表明したい。試練の時を迎えたフランスと日本は常に共にある。二度とこうした悲劇を繰り返させてはならない」
安倍首相は献花を終えると、記者団にフランス国民に寄り添う姿勢を強調した。
道すがらバスの中から垣間見た夜のパリは平穏で、警察官の姿も特に目立たない。ホテルに到着後、さっそく凱旋門周辺やシャンゼリゼ通りなどを歩いてみたが、酔っ払った若い女性2人組や中年男性に「日本人! オハヨウゴザイマス!」などと立て続けにからまれて、別の意味で緊張した程度で、やや拍子抜けした感があった。
しかし、翌日早朝に訪れたテロの現場は雰囲気が全く異なり、緊迫感が漂っていた。まだ薄暗い中、地下鉄を乗り継いで向かったバタクラン劇場の周辺では、銃を持った警察官数人が通行人や通過する車などに目を光らせる姿が…。
閉鎖されて真っ暗な劇場に向かって両手を合わせた後、周囲を眺め回してみると、シートが張られて立ち入りできない歩道の前にたくさんの花束が置かれ、犠牲者とみられる若者の写真や、フランスの三色旗をはじめとするさまざま国の国旗、言語の追悼メッセージなどがあちこちにささげられていた。安倍首相が献花した花束も見つかったが、中でも特に印象的だったのは、アラビア語のメッセージが書き込まれた三色旗だった。
花束の山は劇場の目の前だけでなく、周辺の道路沿いにも広がっており、道路を挟んだ向かい側ではその長さが優に100メートルを超えていて思わず圧倒された。今年1月に風刺週刊紙シャルリー・エブド本社が襲撃された際には、100万人以上といわれるパリ市民がデモ行進をしたが、その時に怒濤のごとく表明された「自由・平等・博愛」を守ろうとする彼らの信念を、多少なりとも体感できた気がした。
空も明るくなりはじめ、そろそろホテルに戻ろうかと思った矢先、いかつい感じの黒塗りの乗用車が数台、道路の向かい側に停車した。降りてきたのはスーツを着たアジア系の男たち数人。道路を横断して真っすぐに劇場前まで歩いてくると、警備していた警察官たちと何やら話し始めた。
その様子を近くで眺めていると、うち1人と目があい、「どこから来た?」と英語で話しかけられた。「日本から来た。そちらは?」と聞き返すと「韓国だ」との答え。どうやら韓国の外交官一行で、同じく訪仏していた朴槿恵(パク・クネ)大統領の献花に備え、下見に訪れたようだ。
そこで「昨日はここに安倍首相が来ましたよ」と教えると、「シンゾー・アベが来たのか? いつだ!」と驚いた様子で聞き返してきた。「昨晩、パリに到着してすぐ、こちらで献花をした」と答えながら、安倍首相が供えた花束のある場所へと案内すると、「シンゾー・アベが、ここに来たのか?」とさらに念を押してきた。そして、花束に結ばれた、フランス語で「PREMIER MINISTRE DU JAPON(日本の首相)」と書かれたリボンを眺めながら少し考え込むような様子を見せていた。
時間がないのでそのまま別れたが、どうもその後が気になる。そこで帰国後に調べたところ、朴氏はこの後、劇場を訪れ、犠牲者に献花をしたとのこと。その時の写真を確認すると、安倍首相が献花した場所を避けたのかどうか、そこから左側へ数メートル離れた場所に、きれいな花束を置いていた。
せっかく教えてあげたのだから、どうせなら同じ東アジアの首脳同士、すぐ近くに置けばよかったのに…。少し残念な気がしたが、この数メートルが日韓の微妙な距離感を図らずも表しているようで、妙に納得せざるを得なかった。(政治部 小野晋史)